脱アトピー生活
7. アトピーと腸の深い関係
昔から「健康の基本は腸」とよく聞いてはいましたが、何のことやらピンとこず、「便秘は体に悪い」って事くらいにしか思っていませんでしたが、いろいろと本を読んでみると腸って本当に大切なんですね。
ちょうどお店を始めた2001年頃、“花粉症をヨーグルトで治す” というのがTVで放映されたのをきっかけに、輪屋でもヨーグルトが大ヒットしました。
これはヨーグルトに含まれている成分が花粉症に効果があるというのではなく、ヨーグルトの乳酸菌で善玉菌を増やし、アレルギーに強い体質を作ろう!という、『プロバイオティクス』と呼ばれる健康法です。
食物アレルギーでアトピーや湿疹が出る場合は、確かに腸が強くなるとアレルギーを起こしにくくなるような気がしますが、腸を強くして鼻水を止めるなんて「気が遠くなるくらい時間のかかる治療法やなー」なんて昔は思っていました。
しかし、今では声を大にして
“腸壁とお肌は正比例”
“乾燥肌も腸を疑おう”
を合言葉に腸内環境の正常化の重要性を訴えています。
ということでここでは、なぜアトピーと腸内細菌が関係あるのかを書いてみたいと思います。
せっかくなので、腸内細菌が体内でどのような役割をしているか、肌だけでなく、全身にどのように関係しているのかを、私が読んだ数冊分の本の内容を要約してお伝えしたいと思います。
腸内細菌とは
私たちの腸内の壁に隙間なくぎっしりと生息している微生物で、一人の人間の体内に約300種類、100兆個の腸内細菌が住み着いているといわれています。
腸内細菌には乳酸菌に代表されるような“善玉菌”とウェルシュ菌に代表される“悪玉菌”がいます。
しかし、一番多いのは“日和見菌”と呼ばれる中間菌で、この日和見菌は善玉菌が増えれば善玉菌に、悪玉菌が増えれば悪玉菌になるという、「長いものには巻かれろ」タイプの菌です。
腸内細菌の働き
腸内細菌の主な働きは、代表的なものだけで8項目あるとされています。
このように、私たちの日常は善玉菌に支えられていると言っても過言ではありません。
そしてもちろん、免疫機能と密接な関係があり、ビフィズス菌が多いとリンパ球やマクロファージなどが増殖され、外部からのウィルスはもちろん、体内にできたがん細胞さえやっつけてくれると言われています。
それでは悪玉菌は何をするのでしょう
なんと悪玉菌は体内で発がん物質を産生したり、 アンモニアや硫化水素などの有害物質を作ったりして、下痢や便秘、高血圧やガン、動脈硬化など、さまざまな症状の原因を作っています。
また、悪玉菌のつくる有害物質は、自律神経の働きを乱してしまい、アレルギー性疾患に悪影響を与えるといわれていたり、悪玉菌が次から次へと作る有害物質を肝臓が処理しきれなくなって自家中毒を起こしたりと、悪玉菌がたくさんいると本当にいいことがありません。
善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れる原因
偏食や必要以上の抗生物質の服用、加齢による生理機能の低下、ストレス、睡眠不足などがあります。
一説では「ワッ!」と驚かされた時に感じる程度の驚きのストレスでさえ、バラバラバラ・・・と腸内細菌は死んでしまうくらい繊細な一面もある菌なので、長生きしてほしい大切な人を驚かせたり、心配をかけたりするのはやめましょう。
アトピーと直接関係のありそうな部分は、『ホルモン、ビタミンの産生』で、アトピーの炎症を劇的に抑えてくれる“副腎皮質ホルモン”などは、胆汁に分泌されて腸管に入り、腸内細菌の作用を受けて変換され、これが再び腸管から吸収されて作用するそうです。
余談ですが、私がアトピーの痒みで辛すぎる毎日を送っていたとき、一日のリズムで不思議だったことがありました。
痒くて痒くて明け方まで寝れない毎日でしたが、夜が明ける頃になると痒みが楽になり、痒みのストレスでぐったり疲れた私は、夢すら見ずに眠ることができました。
毎日同じパターンだったので、痒みには外部からの刺激だけじゃなくて、体のリズムも関係してることはわかっていたのですが、それが何のリズムか、永い間わかりませんでした。
ただ、漠然と自分が知っている「交感神経と副交換神経ってやつかなー」くらいだったのですが、その後、交感神経と副交感神経とアトピーの関係を調べていると、アレルギーは副交感神経が優位の場合に起こるらしく、副交感神経は夜間から明け方に優位なため、アトピーだけでなく喘息やリウマチの発作も夜間から明け方に起こることを知りました。
もう一つ、ホルモンについて調べているとき、私たちの副腎から分泌されている副腎皮質ホルモンは明け方から分泌され始め、早朝をピークに夕方には少なくなっていくということを知りました。
もしかしたら、朝方に痒みが楽になったり、炎症の赤みが治まっていたのは、交感神経が優位になってきたことと、自前のステロイドが活躍してくれていたせいなのかもしれません。
善玉菌の増やし方
(1)最も効率が良いのは、ビフィズス菌のサプリメントを飲むこと!
世の中の宣伝の多くは乳酸菌なのですが、腸内の菌の99.9%はビフィズス菌なのです!
ならば、0.1%しかいない乳酸菌を増やす努力をするよりも、 ビフィズス菌を増やした方が早いんじゃないかしら…と思っていたら、商品化することができました!
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(2)食物繊維を摂る
一般的に食物繊維を多く含む食事をしている人は、肉と脂肪が多い食事をしている人に比べて、ビフィズス菌などの善玉菌を多くもっており、逆に病原毒素を出すような悪玉菌は少ないことがわかっているそうです。
食物繊維については、次ページの “8.しっかり排毒” の真ん中あたりに書きましたので、是非、排毒と善玉菌育成の両方を目指して頑張ってみてください。
(3)甘いものや刺激物は控える
私も大好きだったチョコレートや白砂糖…。
コーヒーなどの刺激物は、残念ながら大切に育てていきたい好酸性乳酸菌(善玉菌)を直接破壊してしまいます。
甘いものが大好きな人で超健康優良児って確かにいないかもしれません。
アトピーでお店にご相談にみえた方の中で、甘いものが嫌いだと言う人は一人もいらっしゃいませんでした。
チョコレートや甘いものは、善玉菌を破壊するだけでなく、丹羽先生(“9.若返り”に登場します)は痒みのもとになるヒスタミンを発生させるとおっしゃっています。
しかも、体の中に入った糖質は代謝の過程でビタミンB群を大量に使用します。
ビタミンB群はB1やB2、B6など色々と細かく分かれているのですが、どれも体にとってとても大切な役割を持っています。
その中でも特にビタミンB2は皮膚や爪、髪、目や口の粘膜の発育や再生に関係があると言われています。
そう言えば子供の頃、甘いものの食べすぎで目の奥が痛くなったときや、口の中に口内炎ができたときは「チョコラBB」を飲むと劇的に良くなっていました(笑)
そして、更にややこしいことに、ビタミンB群というのはもちろん食べ物から摂取できますが、腸内細菌の合成に依存している部分も大きいらしく、 砂糖の代謝に必要なビタミンB群を作る腸内細菌は砂糖で破壊されるという、なんとも皮肉な構図になっているのです。
補足ですが、アトピーで肉や乳製品、卵などビタミンBが豊富な動物性たんぱく質を食べるのをやめたのに、砂糖だけは摂っていると、ビタミンB2が決定的に不足してしまいます。
要するに「甘いもの好きのベジタリアンは大変」ってことですね。
「肉類はやめられるけど、どうしても砂糖をやめられない・・・」という人は『腸内環境を整える』から、 お好きなビタミンB含有食品を選んで継続して多めに摂取してください。
でも、甘いものの誘惑ってナカナカ断ち切れませんよね。
何故なら砂糖の誘惑は覚せい剤の誘惑と同じ程度の常習性があるからです。
このメカニズムは、うちの旦那テッシーのブログ
『健康を哲学する〜ケンテツブログ』をお読み下さい。
ここでは、痒くて辛かったけど、甘いものが食べたかった私が実行していた砂糖から逃げる方法を書きたいと思います。
甘いものからの脱出法
(1)まずは砂糖を使ったものを捨てるか、健康そうな人にあげる。
この世の中で、砂糖から逃げる事がどんなに難しいか、このとき初めて知りました。
砂糖だからデザートやジュースを避ければいいという訳ではないのです。
普通のスーパーで売っているケチャップやマヨネーズ、ポン酢やだしの素などの調味料類から、のりの佃煮、なめ茸などの加工品、レトルトのカレーやラーメン類など、裏の表示を見てみると必ず砂糖が入っています。
なので、まずは「もったいない・・・」とつぶやきながら原材料に“砂糖”と書いてあるものを捨てます。
(2)砂糖の代わりの甘味を使いこなす。
例えば、煮物の時は醤油に砂糖と簡単に砂糖を使ってしまうのではなく、まずはみりんを多めに入れてみましょう。
素材が自然食品で買った野菜だったりすると、みりんだけで驚くほど甘くて美味しい煮物ができるはずです。
でも、ずっと砂糖の強烈な甘味や化学調味料に馴染んできた私たちは、舌の味雷が壊れているために、最初は野菜や調味料が本来もっている味では物足りなく感じてしまいます。
そんな時は、
●だしをしっかりとる事。
●塩を自然塩に代える事。
●自然食品店で売っている(砂糖の入っていない)甘酒、やし糖、メープルシロップ、甜菜糖、アガベシロップ、蜂蜜 などで甘味をつけます。
これで結構美味しくなるはずです。
私は、市販のお菓子が食べられなくなったので、自分で作った失敗作の水分の少ない甘酒をフライパンで焼いて、「クッキーとホットケーキの中間」と言いながら食べていました。
ただ、砂糖でなければ甘いものを食べてもいいのではなく、まずは砂糖中毒から少しずつ抜けていくための方便として色んな甘味を使うのをお忘れなく!
(人口甘味料はやめましょう)
(3)甘いものが欲しくなった時に別のもので誤魔化す!
私は甘いミルクティが大好きで、外出先ではいつも缶に入ったロイヤルミルクティを飲んでいました。
しかし、よく考えると280mlの1缶で19.4gの砂糖を摂ってしまっていたんですね。
そりゃ~血糖値も乱高下するはずです。
でも、それが解ったからと言ってすぐに止められたらアトピーにはなっていません。
そこで「何か甘いものが食べたいな」とか「お茶が飲みたいな」と思ったときに
楽しめるアイテムを持っておくことが大切です。
無性に甘いものが好きな人や、感情の起伏が激しい人、疲れやすい人は
“低血糖症” が原因でアトピーになっているかもしれません。
詳しくは「副腎疲労、低血糖症からくるアトピー」を読んでくださいね。
ナッツ類にアレルギーがない人は
生アーモンド、生カシューナッツ、生くるみ、かぼちゃの種、ひまわりの種・・・
などが最高のおやつですね。
私の経験では、紅茶やコーヒーにお砂糖を入れている人も、慣れれば無糖で美味しいと感じるようになります。
まずは白砂糖を使うのをやめてみるところからスタートしてみてください。
こんなことを実行しているうちに、以前はひよこ饅頭を一度に10個近く食べていた超甘党の私も、苦しまずに甘いものから遠ざかることが出来ました。
でも、やっぱり友達と会った時や、お土産でお菓子をもらってしまった時なんかは食べてしまいますよね!
その場合は自己嫌悪に陥る前にビタミンB群を多く含むものを摂ることで何とか対処しましょう。