脱アトピー生活
食べ物について ~添加物編~
今でこそ自然食品店なんてのをやって、お客様に無農薬野菜や無添加食品の良さを力説したりしてますが、実は昔の私は “自然食品店なんてカルト集団とほぼ同じ、ヒステリックでスノッブな人種が好むもの” だと、かなり強く思っていました。
それどころか雨が降ると「あーもう。こんだけ科学や建築技術が進んでんのに、雨に濡れるなんて信じられへんわ!多少の雨ならコントロールするか、家から駅まで全部アーケードでつなげて欲しいわ」←(大阪弁で読んでください)
と超ミニスカートに踵の高いブーツなんかを履きながら、真剣にぼやいていました。
本当にバカ丸出しでお恥ずかしい限りです。
でも本当にそのくらい “自然” という言葉から遠ざかってたんですね。
よく考えたらものが “腐る” とか、“虫がワク” とか、そんな現場もほとんど見たことがないんです。
お風呂場にカビが生えたら、潔癖症の私はカビ○○ーをシュッとかけ、
週に一度は歯ブラシを除菌、
まな板やふきんはつねに漂白、
お湯のポットも定期的に除菌、
なにかを選ぶときは “抗菌” の文字を確かめてから購入するのが常でした。
そんな私が自然食の門をくぐったのですから、最初はもう驚きの連続です。
だって、賞味期限は短いし、ジャガイモもやサツマイモからは芽がでるし、お米や粉もほおっておいたら虫がわいたんです!
いったい何じゃこりゃと思って調べてみました。
添加物って安全?
まず自然食と一般の食べ物の大きな違いと言えば、食品添加物に対する “認識の違い” でしょうか。
元来、食べ物というのは “腐り、虫がワキ、変色(酸化)し、味が変わり、乾燥する” ものなのですが、その自然現象に真っ向から挑む存在が「添加物」です。
例えば “腐る” という自然現象を “防腐剤” で止めたり、“カビが生える” という自然現象を “防カビ剤” で防いだりするわけですが、夏なんかには、朝作ったお味噌汁が夕方には腐ってる事があるくらい、“腐る” “カビが生える” という作用は強いはずです。
ですが、防腐剤や防カビ剤はその作用を抑える事ができます。
そう考えると、臭いも味もしないけれど、いかに添加物の力が強力に食品に影響を与えているかイメージできるのではないでしょうか。
もちろん自然物の中にも添加物と同じ作用を持つものがあります。
というより、合成の添加物でも、元々は自然の作用を参考にして作られたものなので、同じ作用があって当然なのですが・・・
例えば肉を保存するとき、ヨーロッパでは「岩塩」が使われてきました。
それは、岩塩に含まれる硝酸が肉の微生物によって亜硝酸になるからなのだそうですが、その亜硝酸を人工的に合成したものが添加物なのです。
添加物が安全なのか安全でないのかは、未だに専門家同士で喧々諤々している最中なので、私のような一般人が “危険!” と言い切る事はできないと思っていますが、私が判断材料として心に留めている人がいます。
添加物の専門商社で「添加物の神様」と呼ばれていた経験と知識を持つ安部司さんという方なのですが、安部さんは現在、添加物の影の部分を告発する「食品の裏側」「食品の裏側2」という本を出版されています。
本には「添加物の神様」と呼ばれていた安部さんが、なぜ立場を逆転させたかというエピソードが書いてあるので、ちょっとだけ中身をご紹介すると・・・
企業戦士でめったに家で食事をしなかった安部さんが、3歳の娘さんの誕生日に珍しく早く帰宅し、家族と食卓を囲みました。
~以下「食品の裏側」より~
食卓には妻が用意したご馳走が、所狭しと並んでいます。
そのなかに、ミートボールの皿がありました。
可愛らしいミッキーマウスの楊枝がささったそれを、何気なく口に放り込んだ瞬間、私は凍りつきました。
それはほかならぬ、私が開発したミートボールだったのです。
私は純品の添加物ならほぼすべて、食品に混じりこんでいるものでも100種類ほどの添加物を、舌で見分けることができます。
いわば「添加物の味きき」「添加物のソムリエ」と言ったところでしょうか。
コンビニの弁当などを食べるときも、
「このハムはちょっと『リン酸塩』が強すぎるな」
「どうしてこんなに『グリシン』を使わなくてはいけないんだ」
などと、ついつい「採点」をしてしまうくらいです。
そのミートボールは、確かに私が投入した「化学調味料」「結着剤」「乳化剤」の味がしました。
「これどうした? 買ったのか? ××のものか? 袋見せて」
慌てて訊くと、妻はこともなげに「ええ、そうよ。××食品のよ」と答え、袋を出してきました。
間違いありません。
自分の開発した商品でありながら、うかつにもミッキーマウスの楊枝と、妻がひと手間かけてからめたソースのために、一見わからなかったのです。
「このミートボール、安いし、○○(娘の名前)が好きだからよく買うのよ。これを出すと子供たち、取り合いになるのよ」
見れば娘も息子たちも、実においしそうにそのミートボールを頬張っています。
「ちょ、ちょ、ちょっと、待て待て!」
私は慌ててミートボールの皿を両手で覆いました。
父親の慌てぶりに家族はみなきょとんとしていました。
私は、どんな実験結果よりも、父親として瞬時に “食べさせない” という行動をとった安部さんのこの感覚が一番信頼できるんじゃないかと思っています。
安部さんの本には続きに、
ある工場の工場長Aさんは、いつも「俺のところの特売用ハムはだめ。とても食べられたものじゃない」と言っていました。
漬物工場の経営者Bさんもよく「“価格破壊”の商品とはいえ、うちの漬物は買うなよ」と言っていました。
レンコン会社の社長Cさんも、「あのレンコンは自分では食べない」と言っていました。餃子屋さんのDさん、豆腐屋のEさんも、同じ。 「自分のところでつくっている食品は食べない」
そう言い切る人がどれだけいたことでしょう。
その後、安全性を考えずに添加物を多用して製造していた事に罪悪感を感じながら
安部さんは会社を辞めてしまいます。
でも、安部さんは法を犯したわけではなく、国の定める基準に従って真面目に添加物を扱ってきました。
ここがポイントで、国の基準に従っていても、自分も食べる側の人間なんだと知ったとき良心の呵責に耐えられなかった現場の人が実際にいるという事なんです。
よく、農家の人は自分たち用の畑を作って、そこでは無農薬で野菜を作っているとか、自分の子供に予防接種を受けさせないお医者さんがいるとか、自分の家族と親戚には抗がん剤を使わないお医者さんがいるとか、そんな話しをよく聞きます。
文字にすると都市伝説みたい見えて「またまた~」って思ってしまいますが、これは実際に輪屋をご贔屓にしてくださっていたお客様から直接聞いていた話しなので、 私にとっては都市伝説ではなく、そういう選択をしているお医者さんがいるのが現実です。
添加物の複合摂取という問題
しかし、日本食品添加物協会のホームページでは、添加物に “テンカちゃん” という愛称をつけて「これなら毎日、食べつづけても安全ですね!」と太い青文字で書いてあります。
なぜ、こんなに自信たっぷりに「安全!」と言い切れるかというと、
『動物実験で無害だと確かめた量の1/100しか許可されていない』という事に100%の自信があるからです。
確かに、無害の1/100の量と聞くと、何だか安全かも…という気がしますね。
ただ、この試験には盲点があります。
それは、 添加物を単品で与えた場合の結果であって、複数の添加物を与えられた動物実験は行われていないということです。
現在、私達が一日に摂取している添加物の種類は平均80種類といわれています。
80種類って!という感じですが、コンビニのお弁当なら一食分でも30種類以上の添加物が入っているのですから、 中食(お弁当や惣菜などを買ってきて家で食べること)が多い人にとってはそんなに大げさな数字ではないのかもしれません。
そして、日本人の一日の平均摂取量は10g、ティースプーン2杯分です。
80種類の化学物質を毎日ティースプーン2杯、年間で4キロ食べる。
それが今の私たちです。
例えば、「ソルビン酸」だけを一日10g食べるのと、 「ソルビン酸」が5gと、発色剤の「亜硝酸ナトリウム」が5gの場合がどうなのかを考えないと本当の危険性は分からないのではないか…という事です。
※注 ↑エビオス錠で5gってどのくらいあるのか、計ってみた
↓ちなみに10gだったらこのくらいの量
実際にこうやって見てみると、結構な量ですね~
抜け道化しているキャリーオーバー
あと、私がずるいな~と思うのは、商品のパッケージに「無添加」と大きな文字で堂々と書いておきながら、よーく見ると横に小さく「保存料」と書いてあって、
保存料は入ってないけど「安定剤」や「増粘剤」は入ってるよーんという商品を発見したときです。
こんなズルを大人がしてもいいんでしょうか!!
そしてもう一つ、シャケや卵焼きなどの入った幕の内弁当を買ってきたとします。
今の添加物の表示義務では、最終的に幕の内弁当として具材を詰めてパックする会社で保存料や他の添加物が使わなかったら「無添加」と表示できます。
しかし、そのお弁当のシャケや、卵焼きは別の工場で作られていて、シャケの加工段階や、卵の加工段階では添加物が使用されています。
なのに加工段階で使用された添加物を表示する義務がないため、最終のパッケージには添加物が表示されません。
それをキャリーオーバーと言います。
このキャリーオーバーの為に、自分が何を食べたのか、何を食べようとしているのかが不透明だというのが現状です。
安全性以外の問題
↓これはうちのお店のナンバー1醤油「生しょうゆ」のラベルです。
↓多分これが日本で一番メジャーな醤油のラベル
↓もうこれは醤油ではない醤油風調味料
本来醤油の原料は小麦と大豆と塩の3つです。
その3つの材料の環境を人の手で整え、そこに微生物の力を借りて原料を変化させてもらって作るのが醤油です。
なので、正確には、小麦、大豆、塩、以外に “微生物そのもの” または “微生物の分泌物” が入っているのです。
微生物の力を借りるのですから、もちろん時間がかかります。
私の好きな「生しょうゆ」は2年以上の時間をかけてゆっくりゆっくり微生物に醸されて出来上がっています。
その手間をガッツリ省いて作られたものが3つ目のお醤油です。
醤油風調味料の造り方は、
油を絞った絞りかすである「脱脂加工大豆」 を塩酸で分解して「アミノ酸液」を作り、そこに、うまみを出すために「グルタミン酸ナトリウム」を入れ、甘み付けに「甘味料」を、酸味付けに「酸味料」を、コクなどを出すために 「増粘多糖類」を入れ、「カラメル色素」で醤油っぽい色を付け、最後に「本物のしょうゆ」で香りをつけて、保存料を入れれば完成です。
こうして作ると数日で作ることができるので、1Lを100円台で販売できるんですね。
(お魚の形の容器に入った醤油も結構この手の醤油を使っています。)
添加物だけではない薬剤の問題
いつどこで読んだのか覚えていないのですが、養鶏家の方の試算で1個30円(33円だったかも)を切る値段で購入できる卵はそれなりの卵だと思って欲しい。
みたいな事が書いてありました。
私は養鶏の知識がないので、具体的な金額は分からないですが、確かに10個入りの卵が100円台ってのは解せませんね。
上記の醤油と同じですが、「どこをどう削ったから安くなったのか」という話しはしないで、ただ「安い」って事だけを前面に出して消費者に販売するのは軽い詐欺ではないかしらと思ったりします。
安部さんが退社したキッカケになったミートボール事件を例にしてみると、テレビでよく見る、『美人なママが笑顔で出してくれる湯気の上がったミートボールを食べて「おいしい~」と叫ぶ子供』とかそんなCMではなく、
この商品は
『ペットフードに利用される牛の骨から削り取った端肉に、廃鶏のミンチと、組織状大豆たんぱくを加え、ビーフエキス、化学調味料を大量に使って味を調え、さらにラードや加工でんぷんで歯ざわりを調整し、作業効率を上げる為に結着剤や乳化剤を入れた上で、着色料で色をつけ、保存料、PH調整剤、酸化防止剤を添加して作りました!しかも、ソースはすべて粉の添加物を水で溶いたもので作ってあります!』
って正確に作り方を説明しているミートボールだったら、ビルが建つほど売れなかったと思うのです。
アメリカのマクドナルドが鶏の飼育時に人間にも使用される抗生物質を投与された鶏肉を使わないと発表しました。
私はそのニュースを聞いて「お~そうきたか~」と思ったのですが、母にその話しをしたら「えっ?抗生物質使ってるの?」と逆に質問されました。
私は自然食品店を経営する側だったので、色々と知っているのですが、普通の消費者は知らないこと、知らされていないことがたくさんあるという事ですね。
そんな事を言っていても、今この世の中で添加物を100%排除して生きていくなんて、ハッキリ言って無理です。
なので、大切なのは『極力減らす』という意識です。
極力減らす為に必要な事は、
1)裏のラベルを見て、少しでも少ないほうをチョイス。
2)出来るだけ材料を買って、自分で作る。
3)無添加で一生懸命作っているメーカーを応援するためにも、一品でもメーカーチェンジする。
4)よく噛む。化学物質にどこまで効果があるか分かりませんが、唾液と混ぜて無毒化しようとトライする。
そうやって極力減らすように気をつければ、一年で考えたら相当な量を減らせてる事になりますよね。
そして、体の中に入ってしまった添加物をスムーズに排泄できるようにしておけば大丈夫!
目くじらたてて、無添加無添加と必死になって自分を追い詰めなくてもいいはずです。
なんて言ったって使用されている添加物は国が認めた『動物実験で無害だと確かめた量の1/100しか許可されていない添加物』なのですから!