Yuko's ブログ

 

(1) 精製・精白

精製と言われて最も分かりやすいのが “白米” です。
玄米を精米する過程でかなりの栄養素が削られてしまいます。


玄米と白米の栄養素比較
ですが、最も精白・精製されているものと言えば、砂糖と塩でしょう。
市販の白い砂糖はサトウキビからミネラルなどの栄養素を可能な限り取り除いたもので、
その精製度は一説にはコカインと同じ位だと言われています。
同様に塩も昭和40年代頃からイオン交換法という製塩技術によって
塩化ナトリウム99%以上という純度を誇る塩に置き換えられていきました。
私達の体は確かに糖も塩も必要です。

でも、それは雑多な栄養素と一緒に自然な形で含まれているものであって、
化学物質としての糖や塩ではありません。
今は、高血圧や心臓病の予防にと減塩運動が盛んですが、
まず私達が取り組まなければならないのは、塩を減塩することではなく、
塩化ナトリウム99%以上の「食塩」を極力口に入れないことです。

 

(2) 土壌のミネラル不足と、野菜の旬

野菜の栄養価の低下に警鐘を鳴らす人たちが参考にしている文部科学省の
「日本食品標準成分表」によると、
1950年と比べると2000年の野菜は栄養価が6~10分の1くらいに減っています。

100g中の鉄分 推移の図
減少の主な原因は “土壌のミネラル不足”だと言われていて、
土壌のミネラル不足に直結する農薬や化学肥料などによる土壌汚染が心配されています。
ですが20年間野菜の栄養価を計り続けた女子栄養大学の辻村卓先生のHPを見てみてると、
野菜の栄養価に最も影響を与えるのは “旬” という感覚の喪失だったそうです。
(「野菜の旬と栄養価~旬を知り、豊かな食卓を~」辻村卓氏)

 

野菜の旬は3ヶ月間で、旬の野菜は栄養価は高いのですが、たくさん収穫できるため価格は安く、
自然の理によって栽培できるために農薬やエネルギーも少なくてすみます。
旬の野菜を選んで食べるだけで栄養価の上昇が見込めるのは有難いですね。


栄養価の最大月でみる野菜の旬

(3)水煮野菜

 

私は“煮る”という行為の強力さを布巾を煮ていた時に実感しました。
かなり汚れが目立ってきた布巾でも、
煮ると汚れが落ちて真っ白に戻るんですよね。

ということは、同じようにグツグツ煮た食材からも色々な成分が溶け
出てしまうのではないでしょうか。
ハタとそれに気付いてからは、鍋物をする時は必ず子供にスープを飲
ませるようにしています。
近年、水煮野菜は至るところで使われています。
大手レストラン、お弁当・お惣菜屋さん、居酒屋などなどなど…

でも、一番問題なのは給食での使用です。
学校の給食のおばちゃんが野菜や食材を切って調理してくれている所
は大丈夫ですが、給食を作る工場などでは水煮野菜食材がよく使われています。
もちろん中には良心的に作られた水煮野菜もあると思いますが、
当然、中国などで農薬をたくさん使って栽培してからパックされて輸入
されているものもたくさんあります。

水煮野菜

煮ている過程で栄養素が抜け落ちた野菜を、
防腐剤と着色料を溶かし込んだ液体と一緒に袋に詰めているもの、
それが質の悪い水煮野菜です。

もし、あなたが朝、昼、晩と食べているお弁当の食材がそんな水煮野菜だったら
栄養失調に向かってまっしぐらに進んでいると思っていいと思います。
自分がよく利用するお店がどんな食材を使っているか、
外食や中食が好きな人はよーく調べてお店をチョイスしましょう!

(4) リン酸塩

10年以上自然食品店を経営してきて、そこそこ勉強してきたつもりだったのに、
この “リン酸塩” に対する認識がとても甘かった事を
前出のNPO法人食品と暮らしの安全基金が出した「食べなきゃ危険」
という本を読んで初めて知りました。
(リン酸塩について詳しく知りたい方は「ミネラル豊富な食品情報サイト」を参照)

一言で説明すると、リン酸塩はせっかく摂ったミネラルの吸収を阻害するのです!
ミネラルはミネラルでも、カルシウムやカリウム、マグネシウム、
ナトリウムなどの多量ミネラルならば、少々吸収を阻害されてもそれこそ多量に体に入るので
吸収されるチャンスはたくさんありますが、
亜鉛、マンガン、クロム、鉄などの微量ミネラルが吸収を阻害されたらせっかくの当選くじを
トイレに流してしまうようなものです。
となると、なるべく裏の表示を見て “リン酸塩” と書いてあるものを極力買わないようにしたい
と思うところですが、
リン酸塩の表示はとても複雑で素人がパッと見て見極められるようなものではありません。
何故ならリン酸塩が“リン酸塩” と表示されることはまれだからです。
リン酸塩が含まれている可能性のある添加物表示名
また、製造過程で使用された添加物は表示が免除される「キャリーオーバー」やコンビニの店頭の
おでんのようなバラ売り食品にも表示義務はありません。
となると、加工食品を食べることが多い人は知らず知らずに結構な量のリン酸塩を摂っている事になり、
微量ミネラルをトイレに流している可能性がかなり高くなります。